アルツハイマー型認知症の人が出来なくなる動作とは?前兆をいち早く気付く方法
2015/09/15
認知症の基礎知識・初期症状・前兆チェック法・徘徊する理由・予防法などをまとめました。
現在、日本国内の認知症患者数は、
予備軍を含めると、約800万人にもなると推定されます。
認知症は、初期では本人も家族も気付かないことが多く、
病院に行く頃には、症状がかなり進んでいることも少なくありません。
現在のところ、認知症を完治させる薬はありませんが、
早期で治療を行えば、病状の進行を遅らせることができます。
つまり、早期発見・早期治療がとても大切です。
そこで、認知症(アルツハイマー病)についての基礎知識や、
初期症状、前兆をチェックする方法などについてまとめてみました。
認知症の基礎知識
認知症とは?
何らかの原因によって脳の本来の機能が失われ、社会生活に支障が出る症状の総称のことで、特定の病名ではありません。
認知症の原因となる病気は70種類以上あり、その中で最も多いのがアルツハイマー病で、原因の6割以上を占めています。
アルツハイマー病とは?
脳の神経細胞が破壊され、脳が萎縮して起こる病気です。
症状は、「中核症状」と「周辺症状」の2つに分けられます。
中核症状とは?
脳の神経細胞が破壊されることによって直接的に現れる症状で、
認知症の方であれば必ず見られる症状です。
- 直前のことを覚えられない「記憶障がい」
- 場所や日時がわからなくなる「見当識障がい」
- 日常的な簡単な行為ができなくなる「実行機能障がい」
- 失語・失認 など
【症状の例】
- 直近のことが覚えられない。
- 料理の手順がわからなくなる。
- 「いつ・どこ」がわからなくなる。
- ボタンが留められない。
- 判断力の低下 など
一番気付きやすいのが「物忘れ」です。
普通なら忘れないだろうという経験を忘れてしまいます。
記憶障害がいの特徴は、新しい出来事を覚えられないことで、昔の経験はしっかりと覚えています。
「今起こったことを忘れてしまう」というのがポイントです。
周辺症状とは?
中核症状によって、生活が不自由になったり、ストレスを感じることによって、二次的に現れてくる症状です。
BPSD、行動・心理症状とも呼ばれます。
中核症状と違って、必ず現れるわけではありません。
また、常に症状が出るわけではなく、日常生活に支障がない場合もあります。
【症状の例】
- 暴言・暴力
- 妄想
- 不潔行為
- 介護への抵抗
- 異食
- 多弁
- 不眠
- 不安
- 徘徊 など
『物盗られ妄想とは?』
自分が大切にしているもの(財布や通帳など)を、自分でしまい込んだにも関わらず忘れてしまい、
探しても見つからなければ、誰かに盗られたと考えてしまうことです。
一番身近で世話になっている人が、非難の対象になる場合が多いです。
『徘徊はなぜ起こるの?』
意味もなく彷徨っているわけではなく、必ず動機があります。
認知症の方は、自分が一番輝いていた時代の記憶がしっかりと保たれているので、
思い出の場所に足が向いていたり、昔勤めていた会社に出勤しようとしたりするのです。
徘徊対策として、玄関にカギをかけるなどして閉じ込めるのは、
かえってストレスをかけることになり良くないので、
徘徊対策グッズを利用するのがおススメです。
<徘徊を感知する「GPシューズ」>
ソールの下にGPS通信機が埋め込まれている靴です。
スマートフォンアプリと連動していて、位置情報を確認できます。
詳しい商品情報はこちらです。
認知症の前兆チェック法と初期症状
認知症の前兆をチェック
アルツハイマー病の人は、回転が苦手になります。
例えば、
- ドアノブを回せない。
- びんやペットボトルのフタを回せない。
- ネクタイを締められない。
- 靴紐を結べない。
などの症状が現れます。
これは、身体と周囲の位置関係を理解する脳の働き、
すなわち「視空間認知機能」の低下が原因となって起こります。
認知症の前兆をチェックする方法
①両手を合わせる(合掌)。
②親指と小指同士をつけたまま、他の指を開く。
③右手だけを回転させて、親指と小指を付け替える。
これが出来なければ、アルツハイマー病の疑いがあります。
定期的にチェックすることで、早期発見・早期治療につなげることができます。
※写真のお医者さんは画像処理をしていて顔が見えませんが、
認知症患者と向き合って30年「脳神経外科 おくむらクリニック」の奥村歩院長です。
初期段階で認知症を見抜く4つの症状
①ティッシュペーパーやトイレットペーパーを切らしている事が増えた。
そもそもの性格で紙を切らしている場合は問題ありません。
以前は無かったのに、日常よく使う物を買い忘れることが多くなるのは問題です。
②気が付くと、財布の中に小銭が貯まっている。
貯まった小銭を、後で安い物を買う時に使う人は問題ありません。
認知症の場合、買い物でお釣りの計算ができなくなるので、お札での支払いが増え、小銭が貯まるようになります。
さらに、小銭がなぜ貯まっているのか思い出せず、貯まった小銭を押入れなどにしまい込んでしまうケースもあります。
③最近、甘いものやしょっぱいものをよく食べるようになった。
認知症は脳の病気なので、味覚が鈍くなり、濃い味を好むようになります。
④シャンプーの量が減っていない。
お風呂に入る時には、服を脱ぐ・お湯をかける・体を洗う、などの段取りがありますが、認知症になると入浴の段取りが出来ず、頭を洗い忘れることが多くなります。
他にも、料理が出来なくなることがあります。
認知症予防に大切な3つのこと
食事
カレーが、認知症を予防する可能性があるとアメリカで発表されています。
カレーには色々なスパイスが含まれていますが、その中でもターメリック(ウコン)のクルクミンという成分が、アルツハイマー病の進行を抑える作用があるとのことです。
実際に、カレーを日常的に食べているインドの認知症発症率は、アメリカの1/4というデータがあります。
趣味
趣味は、頭を使って適度に運動するものがおススメです。
人とのつながり
趣味は、ウォーキングとゴルフならゴルフ、クロスワードパズルとババ抜きならババ抜きという具合に、
一人でもくもくとするものよりも、人とのつながりがあるものの方が良いです。
テニス・社交ダンス・将棋・マージャンなどは、認知症予防に効果的です。
他にも、後出しでわざと負ける「負けるが勝ちじゃんけん」は、
ちょっと頭をひねることで、脳を活性化させることができます。
この記事は、12月5日「してみるテレビ!教訓のススメ」と、12月7日「駆け込みドクター!」の番組内容をまとめたものです。
認知症の方の介護は大変だと聞きます。
認知症は完治することができない以上、まずは認知症にならないよう予防すること、
そして家族は、出来るだけ早く気付いて治療を受けさせることが大切なのですね。
そのためには、多くの人が認知症について正しい知識を持つことが必要ですね。
あと、お酒をたくさん飲まれる方、気をつけた方がいいそうですよ。
お酒を飲んで記憶をなくすことを繰り返していると、脳の海馬がダメージを受けて、
将来の認知症リスクを高めるという研究結果があるそうです。
飲みすぎには気をつけましょう!
【認知症関連記事】
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