腰痛の治し方 – 腰痛の原因別・自分でできる改善法とは?
2015/09/14
腰痛の3大原因「椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・コンパートメント症候群」による腰の痛みを改善する方法を紹介します。腰痛の専門家によると、90%の腰痛は自分で治せるそうですよ!
腰部椎間板ヘルニア
前かがみになると痛む腰痛。
椎間板の中身が神経を圧迫し、痛みを引き起こす病です。
椎間板ヘルニアによる腰痛の特徴
①突然の強い痛み
重い荷物を持つなどして椎間板に強い圧力がかかると、椎間板に亀裂が入り、椎間板の中の組織である「髄核」が出てきてしまい、椎間板に炎症が起こります。それによって強い痛みが引き起こされるのが「典型的な初期症状」です。
②腰からふくらはぎまで響くような鋭い痛み
出てきた髄核が椎間板の外側にはみ出し、足に繋がる神経を圧迫するため、神経に炎症が起こり、痛みが広がります。
③痛みは片足にだけ
髄核は左右どちらかに飛び出す事が多いので、片方の足にだけ症状が出る場合が多いです。
④前かがみになると痛む
前かがみになると、椎間板の前側に高い圧力がかかり、髄核が後ろに押し出されることによって、痛みが引き起こされます。
⑤座っていても痛む
前かがみになる度に神経の圧迫が進むので、座っていても痛みが起きるようになります。
椎間板ヘルニアによる腰痛の改善法(パピーポジション)
①うつ伏せに寝る。
②息を吐きながら、両腕が垂直になるよう上半身をゆっくりと起こす。
これにより、椎間板の前側の圧力が下がるので、
飛び出した髄核を内側に戻す効果が期待できます。
このポーズを1日2回、1~3分間続けると効果的です。
継続して行う事が、痛みの改善につながります。
ただし、このポーズで痛みが出る場合は止めてください。
腰部脊柱管狭窄症
身体を後ろにそらすと痛む腰痛。
神経の通り道である脊柱管が何らかの原因で狭くなり、神経が圧迫されて痛みが出る病です。
脊柱管狭窄症による腰痛の特徴
①朝起きた時に、こわばったような腰痛
関節同士を保護するクッションの役割をする関節包が、加齢が原因で固くなってきます。朝起きた時に身体を動かすと、固くなった関節包が引っ張られることによって痛みが起こります。朝起きた時に腰痛が起き、その後動いていると治まるのが「典型的な初期症状」です。
②身体の動かし始めに痛む
関節包が固くなると、関節のつなぎ目が少しずれてきます。こうなってくると、ただ立ち上がっただけでも腰痛を起こすようになります。
③身体を後ろにそらすと、腰が痛み、両足がしびれる
関節のつなぎ目がさらにずれると、靭帯が厚くなり、椎間板も変形して飛び出し、脊柱管が狭まります。このような状態で身体をそらすと、脊柱管がより狭まり、神経を圧迫し、腰の痛みと両足のしびれを引き起こします。
④前かがみになると、症状が治まる
前かがみになると脊柱管が再び広がるので、症状は治まります。
⑤歩くと腰が痛み、両足がしびれる
脊柱管が前後から圧迫されるようになってくると、歩くだけでも脊柱管が狭まり、腰痛と足のしびれが起きるようになります。
脊柱管狭窄症による腰痛の改善法(イスで簡単ストレッチ)
①イスに浅く腰かけ、足を肩幅に開く。
②息を吐きながら、両足で足の甲をつかめるまで、上半身をゆっくりと倒す。
③この状態を5秒間キープする。これにより、背骨周りの筋肉や関節包が伸ばされる。
④息を吐きながら、ゆっくりと起き上がり、両腕を高い位置で後ろに引く。
⑤この状態を5秒間キープする。この時、腰はそらさず、胸を突き出す。これにより、背筋上部が伸び、筋トレにもなる。
⑥元の状態に戻す。
1セット5~10回を、1日朝と夜2セット行うと効果的です。
ただし、このストレッチで痛みが出る時は止めてください。
痛くない範囲で行ってください。
コンパートメント症候群
背中の内側の筋肉(多裂筋・脊柱起立筋)の衰えが原因で引き起こされる腰痛。
50代・60代になって初めて腰痛を感じます。
また、以前とは異なる性質の痛み(重だるい痛み)を感じます。
コンパートメント症候群の原因は「加齢」なので、歳を重ねれば、誰でも起こる可能性があります。
コンパートメント症候群による腰痛の原因
多裂筋と脊柱起立筋は、腰を動かしたり上半身が前に傾かないように後ろに引っ張って支える働きをしていますが、加齢などによってこの2つの筋肉がやせ細ると、上半身が前に傾き、筋肉が常に引っ張られる状態になります。
すると、筋肉内の血液が流れにくくなり、筋肉内に発痛物質が出て、痛みを引き起こすようになります。
症状が進行すると、わずか数分歩いたり立っているだけで腰に重だるさが現れ、上半身が前に傾いてしまいます。
その場で背筋を伸ばすとすぐに症状は治まりますが、痛みが頻繁に訪れるため、生活の質が大きく低下してしてしまいます。
コンパートメント症候群のチェック方法
①うつ伏せになり、手を頭の上に乗せる。
②25度ほど両足を軽く上げた状態をキープする。
基準値(2分)を超えてキープできない場合、
コンパートメント症候群の可能性があります。
(実際の診断には、これに加えてMRI検査による腰の筋肉の確認があります)
コンパートメント症候群による腰痛の予防&改善法
①背もたれのあるイスに座る。
②タオルを両ももの上で交差させ、手でしっかりと持つ。
③息を吸いながら、背中で背もたれを押す。
④両足を開いていく。
⑤同時にタオルで足が開かないように負荷をかける。
⑥この状態を3~5秒キープする。
⑦ゆっくり息を吐きながら、元の姿勢に戻す。
10回1セットを、1日2セット行います。
この記事は、2015年1月13日放送「名医が教える!冬にツラい腰痛&ひざ痛 自宅で予防改善SP」で紹介された内容をまとめたものです。
腰痛治療のスペシャリストとして紹介されたのは、
「福島県立医科大学 医学部整形外科学講座 教授 大谷晃司先生」
です。
先生によると、「腰痛の原因を知って適切な対処をすれば、腰痛の90%は自分で改善できる」と考えているそうです。
ただし、腰痛に加えて、
- 足の痺れや痛み
- おしっこが出にくい
- 残尿感
- 頻尿
などの症状がある場合、神経障害がある可能性があるので、
自分で運動だけで治そうとせず、専門医を受診してください、
とのことでした。
ひざ痛のある方は、こちらの記事をご覧ください。
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