悪性の皮膚ガン「メラノーマ」 ほくろやシミとの見分け方
2015/09/17
2014年09月18日「あのニュースで得する人損する人」、2015年6月19日「チョイス@病気になったとき」よりまとめました。
日本人の3大皮膚がんとは?
基底細胞がん
皮膚の基底層の細胞で発生するがんで、日本人で一番多い皮膚がんです。
85%以上が首から上(特にTゾーン)にできます。
99%以上転移しませんが、奥へ進行する性質があるので、放っておくと「表皮→皮下脂肪→筋肉→骨」へ広がっていきます。
治療を行えば、再発の恐れはほとんどありません。
高齢者に多いがんです。
有棘細胞がん
皮膚の有棘層の細胞で発生するがんです。
50%以上が首から上にできます。
9割の人が最初の手術で治りますが、転移するケースもあります。
高齢者に多いがんです。
悪性黒色腫(メラノーマ)
皮膚の基底層のメラノサイトで発生するがんです。
20~40代から、年齢関係なく発生します。
メラノーマとは
メラノーマは、死亡率の高さで恐れられているガンのうちの1つです。
転移の頻度が高く、小さくても転移している事があります。
内臓転移で一番多いのが「肺」で、次に、肝臓・脳・骨の順です。
ほくろと見分けがつきにくく心配される方も多いのですが、メラノーマになる確率は10万人に1~2人程度と、非常に稀なガンです。
2012年、日本でメラノーマと診断された人は約1400人で、死亡者は約700人。
1400人のうちの700人ではないのでお間違えなく。
メラノーマの5年生存率
【ステージ1】
転移がなく、がんの厚さが2mm以下の場合は、約95~100%
【ステージ2】
転移がなく、がんの厚さが2mmを超える場合は、約70~80%
【ステージ3】
リンパ節や周囲の皮膚に転移している場合は、約50~60%
【ステージ4】
内臓に転移している場合は、約10%
手術後、再発のリスクが高いのが、まず2年以内、その次に3年以内と2つの山があります。
その山を越えれば、再発のリスクがかなり減ります。
メラノーマの検査・ダーモスコピー検査とは?
皮膚の表面を10倍以上に拡大して、表面を様子を細かく確認する検査です。
ほくろの場合は、溝の部分が濃くなっています。
メラノーマの場合は、盛り上がっている部分の色が濃くなっています。
検査時間は、2~3分ほどです。
検査費用は、自己負担3割で200~300円程度です。
メラノーマの特徴
発見しづらい場所にできる
メラノーマが出来やすいのが、手と足です。
特に足の裏にできやすく、メラノーマの25%以上が足裏で発生しています。
痛みやかゆみなど、自覚症状はありません。
短期間で大きくなる
ほくろやシミではありえない速さで大きくなります。
テレビに出ていた経験者の例では、発見時2mmだったものが、1年8ヵ月後には12mmの大きさになっていたそうです。
直径7mmを超えていたら要注意
表皮にある目に見えるシミは小さくても、それが表皮の下の真皮に達していると、リンパや血管を通じて全身に転移する可能性があります。
ちなみに表皮の厚みは0.1~0.3mmしかありません。
抗がん剤がほとんど効かない
他の臓器などに転移すると、通常の抗がん剤治療はほとんど効果がありません。
しかし2014年7月、メラノーマに効果が期待できる新薬の製造販売が承認され、年内には流通が始まる見通しです。
※メラノーマの特効薬について、下に追記があります。
ほくろとメラノーマを見分ける3つのポイント
形がいびつ
ふつうのほくろは丸くて、境界がはっきりしています。
メラノーマは形がいびつで、左右対称でなかったり、まわりがギザギザしています。
色味にムラ
ほくろは色にムラがなくて均一です。
メラノーマは濃淡や色の染み出しなどがあり、色が均一ではありません。
短期間で大きくなる
7mm以上は要注意です。
最初小さかったのに、数ヶ月で2倍3倍になるという事は、ふつうのほくろではありえません。
その他、つまむとシコリがあったり、出血するものは要注意です。
一番大切な事は・・・
新しくできたシミやほくろのようなものが段々大きくなってきて、大きさが6~7mmを超えてきて、形が左右非対称で、フチがいびつで、色がまだらであれば、早めに専門医に相談してください。
早期発見・早期治療。
なるべく早く発見して、病巣を取り除けば、命にかかわる事はありません。
ほくろだと思って放置しているのが一番怖い事だと、先生がおっしゃっていました。
以上です。
ウチの子の足の裏にもほくろがあるので、真剣にテレビを見ていました。
何年も前からあって、大きさも変わっておらず、きれいな丸い形なので、番組の情報を見る限りただのほくろに間違いはなさそうです。
私くらいの年齢になると、日光を浴びるたびに、シミやほくろが増えていっているような気がします。
見えるところにできたものは確認できるのでそれほど心配はないかもしれませんが、見えないところや気付きにくいところにできると怖いですね。
メラノーマの特効薬「ニボルマブ」についての追記
2014/10/24 日本経済新聞「15年間諦めなかった小野薬品 がん消滅、新免疫薬 」より抜粋
- 小野薬の抗PD―1抗体「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)が、9月から日本で発売が始まった。
- 「抗PD―1抗体」は、免疫を使ってがん細胞を攻撃する新たな免疫治療薬。
- 「がん研究、治療を変える革命的なクスリ」(慶応義塾大学先端医科学研究所所長の河上裕教授)
- ニボルマブは難治性がんの1つ悪性黒色腫(メラノーマ)の治療薬として、小野薬と米ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)が共同開発した新薬。
- がんは、体の免疫機能を抑制する特殊な能力を持つが、ニボルマブはこの抑制能力を解除し、覚醒した免疫細胞によってがん細胞を攻撃させる。
- 副作用が少ないうえ、がんの増殖を止める・小さくする・消滅させる。そうした治験結果が出始めた。
- 悪性度が高いメラノーマは、5年後の生存率は1割前後という極めて危険ながんだが、米国、日本での臨床試験(治験)では「増殖を抑えるだけでなく、がん細胞がほぼ消えてしまう患者も出た」(河上教授)。
- 米国での他の抗がん剤と比較する治験では、既存の抗がん剤を取りやめ、ニボルマブに切り替える勧告も出た。
- 肺がん・胃がん・食道がんなど、他のがんに対する治験も進んでいる。
- 一般的な抗がん剤は、がんの増殖を抑える仕組みのため数年で耐性ができ、結局は延命効果しかない。しかし抗PD―1抗体で「がんを根治できる可能性も出てきた」(河上教授)。
- ただ、効果が出ていない人も一定の割合で存在する。その場合は「他の抗がん剤や免疫療法と組み合わせれば、効果が上がる可能性がある」(粟田浩開発本部長兼取締役)。
「ニボルマブ」は、メラノーマの治療で初めて実用化された薬です。
従来の抗がん剤とは働きが全く異なり、がん細胞を直接叩くわけではありません。
ニボルマブのターゲットは「免疫細胞」です。
本来なら、免疫細胞ががん細胞を攻撃しますが、がん細胞は免疫細胞が攻撃しないように働きかけています。
「ニボルマブ」は、免疫細胞が再びがん細胞を攻撃するように働きかけます。
その結果、免疫細胞ががん細胞を叩き始めるという仕組みです。
ニボルマブの副作用は、間質性肺炎・肝機能障害・甲状腺の異常・腸炎・かゆみなどです。
ニボルマブの費用(目安)は、体重60kgの人で、1回85万円(自己負担3割で、25万円)ほどかかります。
ただし、高額医療制度の適用で、月8万5千円程度(標準的な所得)になります。
これを3週間おきに点滴します。
海外の実績で、ステージ4(5年で約10%)の生存率が、3年で43%という数字が出ているそうです。
こちらの記事もいかがですか?
-
-
平井堅さんが風呂嫌いを告白!でも意外に多いお風呂が嫌いな人
平井堅さんが「Zepp TOKYO」で衝撃告白です・・・。でもお風呂の嫌いな人っ …
-
-
【赤ちゃんや子ども】寝苦しい原因と、暑い夏の夜の対策とは?
簡単にできる夏の寝苦しさ解消法をご紹介します。もちろん大人にも効果がありますよ! …
-
-
頭痛の原因と対策 – 対処法を間違えると悪化させる可能性が!?
偏頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛など、日本人の4人に1人が頭痛で悩まされているそうで …
-
-
血液型によって、なりやすい病気がある!?
血液型占いではありません。科学的な研究に基づいた、血液型による病気の傾向があるそ …
-
-
ダイエット甘味料が、糖尿病のリスクを上げる!?
ネイチャー誌で「人工甘味料が、糖尿病になるリスクを高める可能性がある」との論文が …
-
-
口臭の原因は虫歯以外にも!自分の口臭の調べ方と対策とは?
虫歯がなく、胃も悪くない健康な人でも、口臭は発生することがあります。その対策法を …
-
-
MERS感染拡大の背景に「スーパースプレッディング現象」
かつてSARSで話題になったスーパースプレッダーが、MERSでも発生しています。 …
-
-
体臭の種類と改善法 – 女性も加齢臭に注意です!
体臭の種類は大きく分けて3つあります。それぞれの特徴と予防法についてまとめました …
-
-
【睡眠関連摂食障害】寝ている間にものを食べていませんか?
夜、無意識に起き出して食べる「睡眠関連摂食障害」の原因と予防法をまとめました。 …
-
-
「ZIP!」で枡アナの目が赤い・・・メガネ姿で登場【画像】
「ZIP!」で、枡アナがメガネだった理由や原因などについてまとめてみました。 ス …
- PREV
- 意外な物が売れる!ネットオークション
- NEXT
- インフルエンザの予防接種 受ける?受けない?