「失神ゲーム」の危険性

「失神ゲーム」って聞いた事のある方は多いのではないでしょうか。

私も小学生時代には知っていたので、かなり前からあるものだと思います。

昔は口コミで広がっていましたが、

今はインターネット上に失神ゲームの方法を解説した動画がいくつもあり、

誰でも簡単にやり方を知ることができます。

そのため、今でも子ども達の間で行われ、

怪我を負ったり、逮捕されるケースが後を絶ちません。

「失神ゲーム」でなぜ失神に至るのかというと、

過呼吸状態にしてから胸を圧迫して呼吸を止めるので、

呼吸が止まっても脳が酸素が足りていると錯覚し、無呼吸状態が続くからです。

その結果、障害や後遺症が残ったり、最悪死に至ることもあります。

脳細胞は酸素不足に非常に弱く、5分以上酸素供給が途絶えると、

重い脳障害を負ったり、脳死に至る危険があるそうです。

実際アメリカでは、失神ゲームによる死亡者が、毎年40人前後も出ているそうです。

失神ゲームはその名のとおり、相手を「失神」させるので、無防備な状態で倒れます。

そのため、歯を折ったり、後頭部を強打したりといった事故が起こっています。

相手に怪我を負わせれば、警察に逮捕されることもあります。

今日も、東京都内の中学3年生数人が逮捕されたというニュースがありました。

以前にも、福岡県で高校２年生が、埼玉県で中学生5人が、長崎県でも16～17歳の3人が逮捕されています。

埼玉県の例ではその後、加害生徒5人とその親に対して、損害賠償を求める訴訟が起こされています。

「失神ゲーム」は、遊び感覚で行われることもありますが、

いじめの一環として行われることもあります。

やっている本人達は、「命の危険のある行為」とまでは認識していないのかもしれません。

あるいは、自分達は大丈夫だと思っているのかもしれません。

ネットで実践付き動画がいくらでも見られますし、体験談も検索すればたくさん出てきます。

子供たちが、大したことのない行為だと錯覚してもおかしくありません。

また「ゲーム」などという安易なネーミング付けがされているので、

遊び感覚でできるものだと誤解しているケースもあるかもしれません。

でも、もし事故が起こってしまったらどうするのでしょう？

取り返しの付かないことが起こってしまってから後悔しても遅いんです。

警察も、ネット上に失神ゲームの情報が氾濫している事に危機感を持っており、

掲載サイトに削除を要請していくとの事です。

失神ゲームの中心となっているのは小学生～中学生ですが、高校生でも行われています。

子ども達が被害者にも加害者にもならないよう、家庭や学校、または社会全体で、

子ども達に「失神ゲームの危険性」を認識させていかなければならないと思います。